株式投資の基礎知識
第2章 会社が株式を発行する理由は
illustration/Yuko Kishida
企業にとってお金は血液のようなものです。お金さえあれば、事業に必要な土地や工場、機械を購入し、従業員を雇うことができます。このため、事業を新しく興したり、事業を継続するうえで、必要な資金をどのように確保するかが、経営者にとって大きな問題となっています。資金繰りがうまくいかなければ、たとえ事業が順調に進んでいても、黒字倒産ということもありえるのです。
企業が事業に必要な資金を集める方法は、大きく分けて2つあります。銀行などの金融機関からお金を借りる方法と、株式や債券などの有価証券を発行して投資家などに買ってもらう(出資してもらう)方法です。
早くから証券市場が発達している欧米諸国では、株式を発行して資金を集めること(直接金融と呼びます)が主流となっていますが、日本では銀行からの借入金が中心でした(借入金などによる資金調達のことを間接金融と呼びます)。その最も大きな違いは、借入金は期限までに返済しなければならないのに対して、株式を発行して調達した資金は返済しなくてもよいことです。
同じ有価証券でも、株式と債券では性格が異なります。
債券はお金を借りる際に発行する借用証書のようなものです。債券を発行して集められた資金は借金ですから、満期が来たら利息をつけて全額返還しなければなりません。
これに対し、株式を発行して集めたお金は返す必要がありません。その代わり、企業は事業を行って利益が出た場合には、その利益の一部を配当という形で、出資者(株主)に還元(おすそ分け)します。このようにして集めた資金は資本金(自己資金)として蓄積され、必要な資金をまかなうための有力な財源となります。自己資本(株主資本)がたくさんあれば、借金(他人資本)に依存する必要が少なくなるため、経営が安定します。
一方、出資者は出資したお金を企業から返してもらえない代わり、資金が必要になった場合には、手持ちの株式を誰にでも自由に売却することができます。
このように良いことずくめのような株式ですが、どの会社でも株式を発行して資金を集めることができるというわけではありません。会社には、従来の商法では株式会社のほかに有限会社、合名会社、合資会社がありました。しかし、2006年5月施行の会社法では、有限会社は株式会社に統合され、株式会社、合名会社、合資会社、それに新しく創設された合同会社(LLC)に分類されることになっています。
このうち、株式を発行して資金を集めることができるのは、株式会社だけです。
株式会社が有利なのは、事業が順調に行ってさえいれば株式を発行して、返す必要のないお金をいくらでも集めることができることです。日本や世界を代
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する有力企業の大半が株式会社なのは、そのためです。
第4章 株式投資のリスクは
illustration/Yuko Kishida
株主になれば毎年、配当をもらったり、株式分割などによって株式数が増えたり、株主優待
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を利用するなどの楽しみがあります。しかし、株式投資の最大の魅力は、大きな値上がり益が期待できることにあるといっても過言ではありません。投資した会社が順調に成長して利益が伸びていけば、配当が増えたり、株式分割などにより株式数も増えるなどの期待が高まり、株価も値上がりします。
株価が大きく値上がりした後に売却すれば、買った時の値段と売った時の値段との差額が利益(値上がり益、あるいは売却益)となります。この値上がり益は、配当や株式分割で得られるより、はるかに大きな利益を投資家に与えてくれる可能性があります。
過去のパターンを見ても、相場が順調に上昇している時には、年率にして平均2―3割の上昇を続けています。銘柄によっては、1年間で株価が2倍以上に値上がりするケースも少なくありません。その逆に、相場全体が値下がり傾向を続け、銘柄によっては1年間で株価が半値以下に値下がりするケースもあります。
最近の例では、インターネット関連の株式、いわゆるネット関連株は2000年春先まで、軒並み安値から5倍前後に大きく値上がりした後(なかには10倍前後に上昇した銘柄もありました)、行き過ぎた人気のメッキがはげて(いわゆるネットバブルがはじけて)株価は急速に値下がりし、1年間で大半がスタート時点の株価水準近くまで値下がりしてしまいました。安値で買って高値で売却した投資家は大もうけしましたが、高値で買ってしまった投資家の大半が大損しました。
この例からもわかるように、株式投資は銘柄の選択次第で、あるいは売買のタイミング次第で、ハイリターン(高収益)になったり、ハイリスク(元本割れ)になったりするのです。
このため、株式投資はハイリスク?ハイリターンの代表のようにいわれています。ハイリスク?ハイリターンとはいうまでもなく、失敗すれば大損するリスクはあるが、うまくいけば、大もうけできるということです。
株式の入門書には、株式投資をやれば誰でも資産を10倍、100倍に増やせるようなことを書いている本もありますが、株式投資はそんなに甘いものではありません。
株式投資で成功する確率と失敗する確率は五分と五分。相場環境によって成功する確率の高い時期と失敗する確率の高い時期とがあります。
株式の必勝法(100%成功する方法)はありませんが、成功する確率を高める方法はあります。それは株式のことをよく研究して、基本に忠実な投資を行うことです。
第15章 株価はなぜ毎日動くのか
illustration/Yuko Kishida
株価は景気のバロメーターと呼ばれており、景気より6カ月、あるいは9カ月ほど先行して動くといわれています。特に、個別企業の株価は業績や配当、金利などの変化を受けやすいと考えられています。
しかし、現実の株価の動きを見ていると、景気や業績、金利などに大きな変化が見られないような時でも毎日、変動し続けています。
株価はなぜ、こんなに毎日、絶え間なく上がったり、下がったりし続けているのでしょうか。「女ごころ(あるいは男ごころ)と秋の空」という言葉は、人の心の移ろいやすさを表現したものですが、投資家心理ほど移ろいやすいものはないかもしれません。
相場が上昇すれば、カンカンの強気になり、相場が急落すればとたんに弱気になって、意気消沈してしまいがちです。
株価が絶えず上がったり下がったりするのは、このように移ろいやすい投資家心理と無縁ではありません。
どの銘柄でもこれから売りたいと思っている投資家と、買いたいと考えている投資家とがいます。売りたいと考えている投資家はできれば少しでも高い値段で売りたいと考えています。しかし、そういう投資家も株価が今後、値下がりすると予想すれば、多少、安い値段でもいいから早目に売っておきたいと考えるようになります。
買いたいと考えている投資家は、少しでも安い値段で買いたいと考えています。そういう投資家でも、その銘柄が今後、どんどん値上がりしそうだと予想すれば、多少、高値でも早目に買っておきたいと考えるようになります。
つまり、現在の株価を決めるのは、その会社の株価が将来、値上がりするかどうか、値上がりするとすればどの程度値上がりが期待できそうか、という予想にかかっています。
それを決めるのは、それぞれの会社の業績や財務内容、材料などに加えて、相場全体がどのような動きをするかの予想にかかっています。相場全体の動きは、国内外の景気(企業業績)や為替、金利、あるいは米国の株式市場の動向などによって、毎日、目まぐるしく変動し続けています。
このため、個別銘柄の業績予想、材料に大きな変化がなくても、個別企業の株価までが毎日、変動し続けているのです。
第16章 売買の手掛かり材料
株価に影響を与える要因を材料といい、株価が上がる材料を好材料、株価が下がる材料を悪材料と呼んでいます。
個別企業の株式そのものの価値を左右する材料としては、業績と株主優遇策、財務内容、株式の売りと買いの関係(需給関係)などがあります。
業績にとって好材料は利益が増えること(増益)、配当が増えること(増配)、配当を復活させること(復配)、赤字から黒字に転換することなどが予想されることです。新製品?新技術の開発?発売、リストラクチャリング(事業の再構築)なども業績にプラスにつながる可能性がありますし、株式分割も好材料と受け止められることが多いようです。
一方、悪材料は減益、減配、無配、赤字転落などのほか、工場の事故、欠陥商品の発生、不祥事の発覚なども悪材料です。
好材料と悪材料になる要素
好材料
悪材料
景気
回復
失速?低迷
物価
安定
大幅下落?大幅上昇
企業経営
企業業績
回復?続伸
低迷?悪化
技術力
新技術開発、新製品開発
欠陥商品
不祥事
-
発覚
政治
政局
安定
不安定(混乱)
財政収支
黒字
赤字
金融
金利
安定?低下
上昇
為替
安定
不安定(通貨危機)
世界経済
米国株
上昇
下落?暴落
貿易収支
黒字
赤字
国際紛争
解決
勃発
外部要因には国内の景気、金利、為替などの動向、さらには海外の景気、株価、金利などの動きなどがあります。景気回復、好景気は好材料、景気後退、不況は悪材料となります。
金利は低いほど株価にプラスと考えられています。金利が低いと債券から株式に資金がシフトして、株価を押し上げる可能性が大きいからです。金融緩和(金利引き下げ)は好材料、金融引き締めは悪材料と見られています。インフレにはプラス面とマイナス面があります。インフレヘッジとして株式の人気が高まる半面、インフレを抑えるための金融引き締めは、株価に悪材料となります。
為替については、日本は輸出依存体質が抜け切れないため、株式市場では円安?ドル高を歓迎し、円高?ドル安を嫌がる傾向があります。
相場全体が好材料に包まれている時には、個別企業の悪材料はあまり重要視されず、逆に相場全体が悪材料に包まれている時には、個別企業の好材料は株価にあまり反映されないといった傾向があることにも留意しておきたいものです。