進行再発卵巣粘液性腺癌に対するSOX療法（エスワン オキサリプラチ

進行再発卵巣粘液性腺癌に対するSOX療法（エスワン オキサリプラチ 進行?再発卵巣粘液性腺癌に対する SOX療法(エスワン+オキサリプラチン併用療法)の 有効性及び安全性に関する検討，第II相試験， 同意説明文書?同意書 臨床試験へのご協力のお願い 患者さんへ 1. 臨床試験について 新しく考えられた治療法や新しい薬剤が病気に対して有効であるか否か、また安全か否かを実際に患者さんにご協力頂いて試験を行うことを「臨床試験」といいます。当病院でも、がんに対する最新?最善の医療を患者さんに提供するとともに、より良い診断法、治療法、予防法などを開発するための研究を行っています。 今回、あなたの病気である卵巣粘液性腺癌に対する治療法として、我々が進めている臨床試験「卵巣粘液性腺癌に対するSOX療法，エスワン/オキサリプラチン，併用化学療法の有効性及び安全性に関する検討」について紹介させて頂きます。 この研究は全国各地で婦人科悪性腫瘍の治療を積極的に行っている施設が共同で行っている多施設共同研究です。以下に、本臨床試験の内容について説明しますので担当医の説明と合わせ、よく読んで検討下さい。そして、試験に参加することに同意される場合は、同意書にご自身でご署名をお願いします。治療法の選択は患者さんの自由意思で決定されるものです。他の治療法を選択しても、また一度選択した治療法を途中で撤回しても、そのことによりあなたが不利益を被ることはありません。十分な時間をかけてお考えのうえ、ご判断下さい。また、わかりにくい点や疑問点などがありましたら、いつでも遠慮なくお尋ね下さい。 2. 本臨床試験の目的 この試験の目的は、エスワンとオキサリプラチンを併用する化学療法が予定通り行うことができるかを確認し、その治療法の卵巣粘液性腺癌に対する治療効果と副作用を検討することです。 3. 本臨床試験について 卵巣粘液性腺癌に対する最良の標準化学療法は、いまだ確立されていません。卵巣にはさまざまな形の腫瘍が発生します。その種類は発生部位や組織学的性質によって細かく分類されています。中でも、上皮性卵巣癌は一番多い種類の癌です。これまで欧米で行われた臨床試験の結果から、現時点では、パクリタキセルとカルボプラチンという抗がん剤を併用した化学療法，TC 療法，が上皮性卵巣癌に対する標準的治療法と考えられています。これは上皮性卵巣癌の半数以上を占める「漿液性腺癌」に対する治療効果を主に反映した成績であるため、比較的稀な疾患である卵巣粘液性腺癌に対してTC療法が最良の化学療法かは明らかではありません。 これまでの臨床試験の成績では、「漿液性腺癌」や「類内膜腺癌」は約75%という高い腫瘍縮小効果を示しています。一方、「卵巣粘液性腺癌」や「卵巣明細胞腺癌」は同じ治療効果が得られていないため、抗がん剤化学療法が効きにくい腫瘍であることが明らかとなっています。最近の研究結果より、卵巣粘液性腺癌と大腸がんや胃がんなどの消化器癌との類似点が指摘され、抗がん剤化学療法が効きにくい腫瘍と考えられている卵巣粘液性腺癌に対する治療法を消化器がんに学ぶという考えが注目されています。フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチンなどの抗がん剤を併用することにより、最近の大腸がんの治療成績は飛躍的に向上しています。 本試験で用いるエスワンとオキサリプラチンは、上皮性卵巣癌に対する厚生労働省の認可は得られておりません。しかしながら、現在、上皮性卵巣癌に対して厚生労働省の承認を得られている抗がん剤化学療法が効きにくい腫瘍と考えられている、外科的切除が不可能である進行?再発卵巣粘液性腺癌の治療成績は極めて厳しい状況にあります。このような現況を打破するために、近い将来に大腸がんに対する最良の標準化学療法となる可能性が高くかつ簡便な治療法であるSOX療法を、卵巣粘液性腺癌に対してより高い効果が期待できる化学療法として選択し、本臨床試験を計画しました。 4. 治療の内容 治療第1日目に、オキサリプラチンを2時間かけて静脈内投与，点滴注射，します。薬の副作用，アレルギー反応や嘔吐など，を予防する点滴や薬も合わせて投与します。第1日目夕食後から第15日朝食後までの14日間、ティーエスワン，カプセル，を1日2回，朝食後と夕食後，内服します。その後の1週間は治療を休みます。この治療，3週間，を1サイクルとして、CT検査などにより腫瘍が完全に消失したことが確認された場合、腫瘍が増大する兆しを認めた場合、あるいは安全に治療を受けることが難しいと思われる副作用を認めた場合を除き、原則として治療を継続して頂きます。 この治療を入院で行うか、外来で行うかは担当医師があなたのお体の状態を診て判断することになりますが、あなたの御希望を最大限に取り入れた形で行うことは可能ですので、担当医師に御相談下さい。なお、副作用が現れた場合には、治療の日程とお薬の量が変更されることがあります。 5. 試験中の検査について 臨床試験に参加している間は、貧血や白血球の数を調べる血液検査、採血による肝臓や腎臓、X線検査や心電図、CTなどを定期的に受けて頂きます。また、試験終了後も定期的に診察や検査，血液検査やCTなど，を受けて頂きます。これらは通常の治療を受けている時にも、必要時には実施されるものです。副作用が起こるとこれらの検査回数が増える可能性がありますが、それ以外では、この臨床試験に参加することによって検査が極端に増えることはありません。 なお、本試験では手術にて摘出された組織検査にて卵巣粘液性腺癌であることが確認された患者様を対象としていますが、この試験に参加頂いた後に、手術で摘出したがん組織の一部を薄くスライスしてスライドグラスに貼ったもの，組織標本，を本試験の病理評価委員会の専門医に提出し、再度「卵巣粘液性腺癌」であることを確認させて頂きます。 また、本試験では、あなたのCTなどの画像を本試験の判定委員会の専門医に提出し、治療の効果を確認する場合があります。 このように、本試験では専門委員会にあなたの診療上の情報を提出する事がありますが、いずれの場合も、あなたのプライバシーは守られます。また、この同意書に署名されることにより、これらの情報の提出についてもご了承いただけたものとなります。 6. 予想される効果と副作用 大腸がんに対するSOX療法の治療効果を検証した本邦の臨床試験の結果、腫瘍縮小効果は56%でした。上皮性卵巣癌に対する標準化学療法であるTC療法の卵巣粘液性腺癌に対する腫瘍縮小効果が12.5- 42%と報告されている状況において、SOX療法により更なる治療成績の向上が期待されます。一方、副作用として起こる可能性がある症状として、白血球減少/好中球減少、血小板減少および貧血，ヘモグロビン減少，などの血液毒性、アナフィラキシーなどの過敏症，のどの違和感、呼吸困難、かゆみなど，、悪心や嘔吐，はきけ，、下痢や便秘などの消化管症状、口内炎などの粘膜障害、腎機能障害、肝機能障害、肺線維症などの肺障害，息切れなど，、脱毛、色素沈着、手足症候群などの皮膚障害、全身倦怠感，体のだるさなど，、冷たい空気やものなどで増悪する末梢神経障害，手足先のしびれなど，等が予想されます。しかし、すべての方にすべての副作用が出るわけではありませんし、個人によって副作用の程度も異なります。時に予測できない副作用が起こることもありますので、副作用の早期発見と速やかな対応のためにどんなことでも構いませんので、何か異常があればいつでも申し出て下さい。 7. 他の治療法の有無及び内容 通常、進行?再発上皮性卵巣癌には手術療法や抗がん剤化学療法を組み合わせた治療がなされています。現在のあなたの病気の状態から判断しますと、抗がん剤化学療法が適当と思われます。今回使用する抗がん剤以外にもいくつかの抗がん剤があり、それらの抗がん剤を使って治療する方法もあります。すなわち、上皮性卵巣癌の標準化学療法であるパクリタキセルとカルボプラチンという抗がん剤を併用した化学療法，TC療法，をはじめ、シスプラチン、ドセタキセル、イリノテカン、エトポシドなどの抗がん剤を組み合わせた治療があります。また、お体の状態によっては、抗がん剤を用いた治療を行わずに、痛みなどの症状緩和を目的とした対症療法を行うことも選択肢のひとつとなります。今回の臨床試験に参加されない場合には、あなたとよく相談したうえで、上記の治療を適宜選択します。 8. 同意しない場合であっても不利益を受けないこと この治療を選択するか否かはあなたの自由な意思により決定されます。たとえお断りになっても、今後の治療に差し支えることは一切ありません。その際には別の治療法を行うことになります。 9. 同意した場合でも随時これを撤回できること この治療を行うことに同意した後でも、いつでも辞退することができますので、その際には申し出て下さい。 10. 人権保護に関する事項 この治療法を実施した結果，効果や安全性など，は、この2つの抗がん剤の併用療法に関する貴重な資料として使用させて頂きますが、あなたのプライバシーは守られますので安心して下さい。また、本試験はこの試験に参加するすべての病院内の倫理審査委員会などで審査を受け、研究方法が医学的に適切であり、患者さんの人権が守られていることが確認され、承認を得たものです。 11. その他 この臨床試験に同意するか否かは、あなたの自由な意思にお任せします。何かわからないことがありましたら、いつでも遠慮なく担当医にお尋ね下さい。この臨床試験の内容を十分に理解して納得されましたら同意書に署名し、担当医にお渡し下さい。 平成 年 月 日 施設名: 担当医師名: 緊急連絡先: 同意書 殿 説明年月日:平成 年 月 日 施設名: 科名: 説明医師名: 試験名:「卵巣粘液性腺癌に対するSOX療法，エスワン/オキサリプラチン，併用化学療法の有効性及び安全性に関する検討」 説明?同意内容 1. 臨床試験について 2. 本臨床試験の目的 3. 本臨床試験について 4. 治療の内容 5. 試験中の検査について 6. 予想される効果と副作用 7. 他の治療法の有無及び内容 8. 同意しない場合であっても不利益を受けないこと 9. 同意した場合でも随時これを撤回できること 10. 人権保護に関する事項 11. その他 上記事項について、担当医師から詳細な説明を受け、理解し納得しましたので、この臨床試験に参加して治療を受けることに同意します。 同意年月日:平成 年 月 日 同意者住所: 同意書署名，自著， 同意撤回書 施設名: 科 名: 殿 私は、臨床試験「卵巣粘液性腺癌に対するSOX療法，エスワン/オキサリプラチン，併用化学療法の有効性及び安全性に関する検討」について担当医師から説明を受けて、平成 年 月 日に治療を受けることに同意しましたが、これを撤回します。 署名年月日:平成 年 月 日 患者本人署名: