芥川龍之介研究

芥川龍之介の自殺についての研究 要旨：芥川龍之介、日本有名な短篇小説家である。「鬼才」と言われ、日本文壇に大きな影響を与えた。彼は日本古典文学やキリシタン文学など未開拓の分野から素材を発見し、自分の現代文学の主題も見つけた。歴史の舞台を借り、現代のことを描き、そして、彼の社会に対しての不満も作品に表現した。芥川は傍観者の姿で人間性を理解し、理性や哲理をもってエゴイストを批判した。彼が生長した時代は不安定な時期であったから、社会、家庭、個人などの原因で、彼は悲観的な人生観を持った。人生に対して、生活を支える信念を失って、「ぼんやりした不安」の中で三十五歳の彼は自殺した。 キーワード：不安　自殺　悲観　憂鬱 はじめに： 芥川龍之介は短い一生の間に、優れた作品をたくさん書き上げた。そのうえに、私は彼の成長した背景や創作過程などに関心を持った。特に彼の創作における才能、文章から感じた憂いの精神、とうとう自殺してしまった行動に、私は大いに震憾させられた。 つい芥川龍之介の自殺について分析したいと思った。それと同時に、彼に関する評論を参考しながら、自分なりに芥川像をつかみたいと思った。彼は文壇で素晴らしい作家と認められている。彼はなぜ当時の文学創作の雰囲気から逃げられなかったのか、なぜ消極的に自分の一生を終えたのか、それらの質問についてできるだけ明らかに解明したいものである。 一、芥川龍之介の作品について 初期の作品には、西洋の文学を和訳したものが多い（「バルタザアル」など）。英文科を出た芥川は、その文章構成の仕方も英文学的であるといわれている。説話文学を典拠とした「羅生門」「鼻」「芋粥」など歴史物、加えてキリシタン物が有名である。日夏耿之介は初期の作品を「非常によい」と評価している。歴史物では、人間の内面、特にエゴイズムを描き出したものが多い。 中期の作品には、芸術至上主義的な面が全面に出た「地獄変」などを書き、長編「邪宗門」に挑んでいたが、後世の文学者はあまり中期の芥川文学を評価していない。 晩期の時、自殺を考えていたのか、自分のこれまでの人生を見直したり、生死に関する作品が多く見られる。この頃から告白的自伝を書き始める（「大道寺信輔の半生」「点鬼簿」など）。晩年の代表作「河童」は、河童の世界を描くことで人間社会を痛烈に批判しており、当時の人々に問題を提起した。「歯車」の内容から、晩年には自分自身のドッペルゲンガーを見たのではないか、また、片頭痛あるいはその前兆症状である閃輝性暗点を患っていたのではないか、という説がある。 二、芥川龍之介の生涯 芥川龍之介、日本の有名な短篇小説家である。柳川隆之介、澄江堂主人、寿陵余子は彼の号である。明治二十五年（1892）三月一日、東京市京橋区入船町八町目一番地に父新原敏三と母フクの長男（第三子）として生まれた。辰年辰月辰日辰刻に生まれたため、龍之介と命名された。 生後８ヵ月の時、母のフクが突然、精神に異常をきたした。龍之介はフクの兄芥川道章に預けられ、独身を通していた、フクの姉フキが自分の子のように龍之介の面倒を見た。実母は、龍之介が１１歳の時に世を去った。たまに訪れると、煙管で頭を殴られる始末で、龍之介は後年、「僕は一度も僕の母に母らしい親しみを感じたことはない」と述べている。 芥川は 小学 小学生如何制作手抄报课件柳垭小学关于三违自查自纠报告小学英语获奖优质说课课件小学足球课教案全集小学语文新课程标准测试题 校の時から成績優秀で、一高（東大の前身）へ無試験で入学を許可され、２位の成績で卒業した後、東京帝国大学に進んでいる。東京帝大在学中の1914年（大正3年）2月に一高同期の菊池寛・久米正雄らと共に同人誌『新思潮』（第3次）を刊行した。まず「柳川隆之助」（隆之介と書かれている当時の書籍も存在する）の筆名でアナトール・フランスの「バルタザアル」、イエーツの「春の心臓」の和訳を寄稿した後、10月に『新思潮』が廃刊に至るまでに同誌上に処女小説「老年」を発表し、作家活動の始まりとなった。1915年（大正4年）10月、代表作の1つとなる「羅生門」を芥川龍之介の名で『帝国文学』に発表、級友鈴木三重吉の紹介で夏目漱石門下に入った。 ２３歳の夏、才色兼備の吉田弥生と交際を始めた。青山女学院を卒業した弥生は、文学を好み、英語も堪能である。英文科の龍之介と相性はぴったりで、順調に進めば結婚に行き着くはずである。ところが弥生に、別の男性から縁談が舞い込んでいた。龍之介はその時、どれだけ深く彼女を愛しているか気づき弥生に求婚しようとしたが、養父母に激しい反対された。相手の女性が「士族」でないことや、私生児だったことや婚約者がいることなどの理由で反発を買ったといわれている。伯母のフキは夜通し泣き、龍之介も泣きました。結局、龍之介が諦めざるをえなかった。 1919年（大正8年）3月12日、友人の山本喜誉司の姉の娘である塚本文と結婚した。1921年（大正10年）2月、大阪毎日海外視察員として中国を訪れ、北京を訪れた折には胡適に会っていた。その旅行後から次第に心身衰え始め、神経衰弱、腸カタルなどを病む。 1923年（大正12年）には湯河原町へ湯治に赴いている。作品数は減ってゆくが、この頃からいわゆる「保吉もの」など私小説的な傾向の作品が現れ、この流れは晩年の「歯車」「河童」などへと繋がっていく。 1927年（昭和2年）7月24日、田端の自室で雨の降りしきる中、芥川龍之介は服毒自殺を行い、社会に衝撃を与えた。 三、芥川龍之介の自殺の原因 芥川の晩年はさまざまな問題を抱えていた。たとえば全集「近代日本文芸読本」の印税についての誤解に基づくいざこざ、義兄の家の焼失に伴う義兄が放火の嫌疑、そして鉄道自殺「放火の嫌疑から、弁護士の自殺、身の潔白を立てるため、文士芥川氏の義兄」（昭和2年1月8日付東京朝日新聞の見出し）、義兄の自殺の後始末の件で経済的な負担が芥川にのしかかってきたこと。そして実母の発狂や、彼自身の繊細で過敏な性格や体調不良などもある。 彼は「人生は一行のボオドレエルにも若かな。」（敗北の文学）と思った。彼の人生経験はその人生観になる重要な原因である。ここでは家庭、個人、社会の三つの方面から分析してみる。 <１>家庭問題 家庭の方面でも、母親は気が狂った。芥川は実母に対して「母親を憎んでもいたが、哀れみもした」と述べている。そして彼の11歳の時に実母の死去に出会うが、「（芥川は）母親の死に臨んで少しも涙が出ず、一生懸命泣く真似」をしたという。なお実母については後年の自伝的作品「点鬼簿」（大正15年10月）の中で、「僕の母は狂人だった。僕は母に母らしい親しみを感じたことも、面倒を見てもらったこともない」など語った。精神科医の大原健士郎氏は芥川の実母の発狂に関して、「（芥川の精神に）心的外傷としてその生涯を支配した」、そして実母の病気は「おそらく精神分裂病（統合失調症）だったと思われる」と専門家の立場から述べている。事実芥川は、自身の精神不安が実母の遺伝ではないかと恐れていた。公表された芥川の生前の写真から判断すると、彼はシャープな顔立ち・隙のないポーズ・きゃしゃな体形をしており、神経が過敏で対人関係面での細かい配慮の持ち主に見える。 <２>心身の苦しみ 大きな打撃を彼に与えたので、ひどい神経衰弱にかかていたこともある。当時の芥川はすでに睡眠薬などの薬物依存症状態で最悪の健康状態にあり、いわば「動物的エネルギー」が枯渇した状態（「唯今の小生に欲しきものは第一に動物的エネルギー、第二に動物的エネルギー、第三に動物エネルギーのみ」斎藤茂吉への手紙）であって、精神的にも追い込まれていたといえる。大原氏は「これらの諸因子が自殺の準備状態を形成し、それを進行させて、結局はこれといった直接動機がないままに、自殺へと引きずり込まれていった。彼を自殺へと駆り立てた促進因子は、あくまでも素因的な精神病であったことは否定できない」と芥川の自殺の背景を説明していた。 <３>現実に対するの不安   社会から言えば、彼が成長した時代は明治末期から大正初期までであり、動揺と平和の対立した歴史時代であった。芥川は文学創作に全力を出したが、当時は国内の階級矛盾が激しく、しかも、統治者は関東大地震を機会として、大勢の革命家を厳しく弾圧した。社会環境は更に不安定になった。芥川は避けてきた現実を直視せざるを得なかったため、実人生を主題とする傾向へと作風は変化した。この変化は芥川の弱い神経に刺激を与えたろう。彼は三十五才で「ぼんやりした不安」という言葉を残して自殺してしまう。ある詩人は「芥川は人生に敗れて死んだのではない。それはむしろ勝利の死だ。」と言った。彼はあくまでも芥川の自決から社会的条件を除こうと努めている。しかし、芥川は自分に鍵をかけた古い道徳的雰囲気から逃げられなくて、死を選んだ。これは現実を避けられなくなり、社会に在る資本主義の悪をみとめてその中に安住する自分を恥じて、死を選んだ。だから、芥川の死は勝利の死とは言えないが、彼の人格には影響がない。文学大家としての芥川は圧力に弱いには事実である。でもこれがあるこそ、われわれとの距離は近くなるといえる。 四、芥川龍之介晩期の作品から見た彼の人生観 「芥川君の作品の基調をなすものは、澄み切った理智と洗練されたユーモアである。そして作者はいつも生活の外側に立って、静かに渦巻きを眺めている」と当時の文芸批判家江口かん氏は『芥川龍之介論』において述べている。芥川の一生を語るとき、言わざるを得ないことは彼の悲観的な思想である。宮本顕治の『敗北の文学』に「頭には喜劇、心臓には悲劇を持ったチェスタートンの賢人は或いは氏自身ではなかったのか」とある。彼は現実生活に失望していて、人生の傍観者になって自分の不満を作品の中で書いた。芥川の作品に現れたのはだいたい彼の悲観的な人生観である。 <１>『河童』 「河童」には河童社会も人間社会も概念似たようなものだが、河童社会には人間社会のような偽善がなく、あけすけであるところが特におもしろいと思う。そのうえシニカルな描写が印象的である。　 『河童』の第八段落の中で「けれども、その肉を食うというのは......」、「常談を言ってはいけません。あのマッグに聞かせたら、さぞ大笑いでしょう。あなたの国でも第四階段の娘たちは売笑婦になっているではありませんか？職工の肉を食うことなどに憤慨したりするのは感傷主義ですよ。」、「つまり、餓死したり自殺したりする手数を国家的に省略しているのですね。ちょっと有毒瓦斯を嗅がせるだけですから、大した苦痛はありませんよ。」芥川はこの作品の中で人間を食べるという残酷な資本主義 制度 关于办公室下班关闭电源制度矿山事故隐患举报和奖励制度制度下载人事管理制度doc盘点制度下载 を攻撃した。彼は人生哲理を求める過程で苦悶と失望を感じた。人生に対して失望した芥川は人生を支える信念も失った。この作品には、憂鬱で厭世な人生観がはっきり見られる。彼が最後自決したのは想像できる。 <２>『或阿呆の一生』 「或阿呆の一生」（昭和2年）は芥川自身の生涯を題材とした告白小説である。『或阿呆の一生』も芥川の人生に基いて書き上げた作品である。その作品を通して芥川の人生や思想がよく分かると思う。主人公はまるで芥川の自画像のように見える。まず彼は本を愛した。「それはある本屋の二階だった。二十才の彼は書棚にかけた西洋風の梯子に昇り、新しい本を探していた。モオパスサン、ボオドレル、ストリンベイ、イブセン、ショウ、トルストイ......」彼は読書によって広く世界を了解した。そして、「すべてのものを本から学んだ。」ということである。しかも、皮肉にも彼は「厭世主義の哲学をまだ一ページも読まぬ前に既に厭世主義者だった。」のである。 「屍体はみな親指に針金のついた札をぶら下げていた。そのまた札は名前だの年齢だのを記していた。彼の友達は腰をかがめ、器用にメスを動かしながら、ある屍体の顔の皮を剥ぎはじめた。」、「彼はその屍体を眺めていた。それは彼にはある短篇を----王朝時代に背景を求めたある短篇を仕上げるために必要だったのに違いなかった。が、腐敗した杏の匂に近い屍体の臭気は不快だった。」芥川は創作している時は、できるだけ誠実に書きたかった。彼の屍体についての描写は綿密である。 彼は本から感じ取れた人生と実際的な人生を間違い、むしろ本の人生は実際より本当のことのように思った。これは片寄っていると思う。彼にとって芸術が最高であるのは言うまでもないが、現実、社会、民衆に対して恐怖感も持っていることもあたりまえなのである。これも芥川文学の悲劇の一つの方面であるかもしれない。 <３>芥川の遺稿 「或旧友へ送る手記」は文壇への公開遺書として自殺直後に公表された。この遺書で彼は「僕はこの二年ばかりの間は死ぬ事ばかり考え続けた」と書き綴り、自身の自殺について述べている。 友人久米正雄に宛てた龍之介の遺書には「狂人、発狂、自殺」という言葉が溢れている。遺稿の中には、自殺者（＝芥川）の心理が描かれている。この作品全般に「（将来に対する）唯ぼんやりとした不安」の言葉が用いられている。 また彼は「僕は紅毛人達の信ずるやうに、自殺することを罪悪とは思っていない」として、具体的な自殺の方法に思いをめぐらしている。「どうすれば苦しまずに死ぬことが出来るか・・・僕は僕自身の縊死している姿を想像し、贅沢にも美的嫌悪を感じた・・・轢死も僕には何よりも先に美的嫌悪を与えずにはおれなかた・・・ビルディングの上から飛び降りるのもやはり見苦しい・・僕はこれらの事情により薬品を用いて死ぬことにした・・・僕は冷ややかにこの準備を終わり、今は唯死と遊んでいる」この言葉から彼は自殺を芸術にして飾ろうとしていた。 さらに一般の人が死を恐れる理由として「我々人間は人間獣である為に動物的に死を恐れている。所詮生活力と伝うものは実は動物力の異名に過ぎない。僕もまた人間獣の一匹である。しかし食色にも倦いた所を見ると、次第に動物力を失っているのであろう」と述べて彼にはこの力が枯渇しかけていると述べる。 五、芥川の自殺の後世に対する影響 芥川は新思潮派の代表作家として、日本文壇では｢鬼才｣といわれる。彼は短い一生の中で148編小説及び大量の小品文、随筆、評論、詩歌などを書き上げた。彼は作風には森鴎外の歴史小説や夏目漱石からの感化が強いと言われる。しかし、彼は『今昔物語』やキリシタン文学など未開拓の分野から素材を発見し、芥川独自の分野を作り上げた。 芥川は西洋小説の虚構と様式を参考、吸収して、日本近代小説の虚構性を強化した。彼は私小説の単一、消極的な写実創作型を破り、近代日本文学では、独特な創作方法と文学的地位を確立した。さらに彼は大正から昭和初期までもっとも優れた日本知識人を代表した一人である。 惜しいことに1927年彼は自決した。彼の自殺に対して、日本文壇が惜しむと思われる。それは芥川が日本文学に大きな貢献をしたからである。日本文壇は彼を「二番目の北村透谷」と呼んでいる。さらにそれを歴史的な事件、つまり現代日本文学史の始まりにしている。 二十世紀の日本文学において、芥川龍之介の文学に対する影響は確かに深くて深長である。「芥川文学」という特異な文学価値ばかりではなく、「芥川の死」に含まれる文学史分期における象徴的な意義がこのような影響を表している。また、有名な日本純文学大賞もそうである。 終わりに 芥川が成長した時代は不安定な時代であるので、社会、家庭、個人の原因で彼の悲観的な人生観が形成した。彼は「頭には喜劇、心臓には悲劇」の形で、資本主義の悪い方面を厳しく批判した。彼は当時の統治者の弾圧のもとで、閉塞的になった社会の圧力に耐えられなくて、自決した。彼は暗黒の社会と悪に身をそめたくなかったのである。これは彼の人格の輝いた点である。 しかも、彼の多くの作品は、動揺している社会の貧しい国民生活を描いた。冷静な目で社会の醜悪な面を見てそれを暴露した。そして、彼はこんな暗黒な社会を傍観して生活するのは苦痛であると思った。正直なインテリが身に悪をそめたくないという気高い品性のあらわれであっただろう。 後世文学にとって芥川の自殺は実に甚大な損失であるが、生命を取り扱うことにおいて、自殺は消極究める方式であり、模倣すべきではないものであると考える。現代社会では、それぞれの原因により、自分の貴重な命を終えることをあっさりと選択してしまう人がごろごろいる。現代社会の人間としての私達こそ、一層命を惜しみ、人生観や価値観をただし、信念を貫き、積極的に挫折や困難直面して乗り越えることによって人生の生きがいを見出すべきであると思う。 謝辞 本論文作成中、指導教官の卢玫先生から貴重なご指導をいただき、こころからお礼を申し上げたいと思います。 PAGE 1